厚生労働省によれば、4月1日時点の全国の待機児童数は、2万3,553人と2年連続で増加しています。隠れ待機児童も約6万7,000人に達し、合計は約9万人を超えています。保育の受け皿は前年比9万5千人増え、約272万人となっています。一方、保育所への申込者は前年比8万7千人増え約256万人です。保育の受け皿は申込者を上回るペースで増えていますが、需要が多い大都市圏で、整備が遅れるミスマッチから待機児童が増えています。
待機児童の9割近くは0~2歳児が占めています。施設が新設されても3~5歳児クラスは空きがある一方、3歳未満児のクラスはあふれているという背景もあります。隠れ待機児童とは、自治体が補助する認可外施設に入った、保育所に入れず育児休業を延長した、自治体が通えると判断した認可保育施設に入らなかった、求職活動をやめたといったケースなどに当てはまる子どもです。
(2016年9月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)