性別役割分担意識

 政府が女性活躍推進の旗を振り、職場での女性の役割は増してきています。職場で女性の活躍の場が広がる一方で、先進国の中で日本女性は、家事・育児に費やす時間が長いままです。男性が頼りにならないのが主な原因ですが、何でも自分でこなそうとする女性側の意識も見過ごせません。わが国では、男性のみならず、女性にも性別役割分担意識があり、家事・育児は女性がするものと刷り込まれています。職場と家庭の両方に全力投球では体が持ちません。
 家事・育児をこうやりたいといった女性自身の考え方が、女性自身の負担につながっていることは確かです。やりたいことの優先順位をつけ、自分でやることと外部に頼ることの整理を、自分自身で納得しながら行っていくことが大切です。女性の家事育児の負担を軽くする最大の鍵は男性です。諸外国と比べて長く働く日本男性に、現状の働き方のままで家事・育児の負担を強いるのは非現実的です。中長期的に日本全体で長時間労働を減らしていくべきです。

(2017年1月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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