性別適合手術の実施

心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)の人が受ける性別適合手術に4月から公的医療保険の適用が認められました。しかし、性器の除去と形成をする手術については、保険適用の事例が半年で1件にとどまっています。ほとんどの患者は、保険が適用されないホルモン製剤投与の治療も必要なため、手術が混合診療とみなされて医療保険の対象外となってしまいます。ホルモン治療は医学的に避けることができず、保険制度が機能していません。
大半の患者はホルモンを投与し、手術の是非が診断されます。体の一部を除去すると復元困難で、大きな変化に心と体が適応できるか経過を見るため投与が必要とされます。全額自己負担の際の費用は、70万~200万円ほどになってしまいます。GID学会などによると、性器に関する手術で保険適用が認められるのは学会認定病院のみです。そのうち実際に患者を受け入れているのは札幌医科大学病院、山梨大学病院、岡山大学病院、沖縄県立中部病院の4施設にすぎません。

(2018年11月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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