政策決定に対する若者の意識

内閣府の13歳から29歳の男女を対象に行った我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(2018年度)によれば、将来の国や地域の担い手として積極的に政策決定に参加したいの問いに対し、そう思うなどと肯定的に答えたのは33.2%に過ぎません。米国の69.6%や韓国の60.0%より極めて低率です。40歳くらいの頃、世界で活躍していると思うかの問いに、日本でそう思うなどと答えたのは14.1%です。米国は59.5%、スウェーデンは56.0%でした。
諸外国に比べて、政治に積極的に参加したいと思う若者が少ないと考えられます。今回の選挙戦においても、小選挙区の投票率は、戦後3番目に低い55.93%で、18歳と19歳を合わせた投票率は43.01%でした。若い世代が指導的な立場につくことを拒む内向きな傾向が示されています。
日本においても、政治の世界のみならず経済界においても、新しいリーダーの登場が待ち望まれています。一つには、リーダーを育てる訓練の機会が少ないことが指摘されています。英米の大学を目指すなど、若い時代から世界に目を向けることが大切です。世界に飛び出した経験は、そんな人としての奥行きを若者に与えると思われます。彼らが日本に帰ってきた時、民間や公共部門で受け入れる度量も問われています。リーダーは作り、育てるものです。その意識が社会に大きく広がった時、日本を牽引するリーダーは現れるのかもしれません。

(2021年11月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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