新興国の大学への留学の増加

新興国の大学に留学する学生が世界で急増しています。かつては米英など先進国で学ぶのが一般的でしたが、グローバルサウスの台頭で、トルコやアルゼンチンなど、南に向かう流れが顕著です。グローバル人材育成の裾野が広がっていますが、日本は乗り遅れ気味です。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の統計によれば、留学生受け入れ数は、2020年までの20年間で、アルゼンチンで約37倍、メキシコも約19倍になっています。インドも7倍です、。世界平均の約3倍を上回っています。G20参加国など経済成長が著しい新興国への留学が目立っています。
グローバル化時代に生まれた若者は、先進国と新興国を区別しないフラットな視点で留学先を選んでいます。SNSなどで情報を手に入れやすくなったこととも関係しています。留学生受け入れを国策として進める新興国も出てきています。各国が、自国の国際社会での影響力行使に留学を利用している側面もあります。留学が受け入れ先の思想や主義を輸出するツールにもなり得ます。

(2023年4月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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