日本の医療費

 2015年のわが国の保険医療支出は、559,354億円で、GDP11.2%です。医療支出のGDP比はOECD加盟国で米国、スイス、に次ぐ3位となりました。近年は10位前後で推移していましたが、2015年の統計で急上昇しました。公的医療保険制度が発達しておらず、薬剤費なども高い米国の16.9%は別格ですが、福祉国家のフランスやスウェーデンより上位になってしまいました。保険医療支出とは、公共・民間の両部門が医療や介護などに投じた総費用を示しています。
 日本の医療費や介護費が伸びている要因の一つは高齢化によるものです。2005年のGDP比は8.1%でした。OECD35カ国中17番目で、主要7カ国で、も6番目でした。この間に65歳以上人口比率は約7%上がっており、医療費などの拡大につながりました。高齢化によって医療費や介護費が伸びるのは避けたい状況にあります。

(2016年8月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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