晩婚化・未婚化の増加

晩婚化・未婚化が止まりません。1970年に20.9%だった30歳時の未婚率は2020年、54.5%に上昇しています。当然のことながら、結婚や出産の選択は本人の自由な意思が尊重されるべきです。しかし結婚での出産が大多数を占める日本では、未婚や晩産は少子化や人口減に密接に結びつくことになります。総務省の調査結果によれば、2020年の30歳時の未婚率は男性60.1%、女性48.8%で、1970年以降、上昇傾向が続いています。経済不安や非婚志向の高まりが背景にあり、進学や就職をきっかけとした地方からの女性流出も出会いを難しくしています。
未婚率が低い宮崎県や鹿児島県では、婚活支援が奏功し始めています。しかし、自治体の婚活支援は、法的な制度や慣行、LGBTQなど、結婚を巡る価値観が多様化する中、行政の仕事かとの異論もあります。婚活支援に取り組む33府県の30歳未婚率は単純平均で52.8%で、未開催の14都道県は55.1%でした。
未婚率が低い都道府県ほど合計特殊出生率も高くなっています。宮崎、鹿児島両県の出生率の単純平均は1.63です。未婚率50%以上555未満の32道府県は、1.45です。未婚率が最も高った東京都は1.12です。

関東・山梨8都県の30歳時点の2020年の未婚率は、いずれも全国平均54.5%を上回っています。なかでも首都圏は地方から上京して独身のまま過ごす若年層が多く、総じて未婚率が高くなっています。東京都の未婚率は58.8%と、都道府県別で最も高くなっています。新型コロナウイルス禍で対面の婚活イベントが難しくなるなか、自治体はAIによるマッチングなど、コロナ下での婚活支援に知恵を絞っています。

(2022年4月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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