有配偶女性の年齢別就業率

女性活躍推進を掲げた第2次安倍政権以降、女性の就業率は顕著に上昇しました。2012年から2021年に保育所などの利用定員は約78万人分増え、育児休業給付金の支給率引き上げなど制度拡充も進みました。それまで仕事か子どもか選択を迫られる正社員女性が多かったのですが、転換期になりました。
大和総研によれば、有配偶女性の就業率は2012年から2021年にかけて20代で20ポイント以上、30代も10ポイント以上上昇しています。制度拡充により出産後も正規雇用にとどまる人が増えたとみられ、上昇分の大半を正規雇用が占めています。しかし、間に合わなかったのは40代です。就業率の改善幅は10ポイント未満に過ぎません。制度拡充時には、ちょうど出産時期を過ぎた人が多かったと思われます。
世帯の実質可処分所得の推計では、40代は2012年の水準以下に水没したままです。男性はアベノミクスで若手中心の賃上げや管理職の賞与の増加があったものの、はざまの40代は年収が伸びにくかったと思われます。30代世帯は正規雇用の妻の所得が寄与しましたが、40代以上の女性は非正規が多く家計に寄与しにくかったと思われます。育児や介護から再就職を目指す40代女性の正規雇用への支援が必要になります。

(2023年2月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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