東大合格者に占める女子の割合

2021年度の東大の入試結果によれば、合格者に占める女子の割合は21.1%と、前年度より1.5ポイント増え、過去最高になっています。増加の理由の一つは、女子の合格者が例年多い学校推薦型入試で、出願条件を緩めたことです。各校男女1人ずつの推薦枠を、男女各3人以内の最大4人までに広げました。女子の合格者は42人と同入試を始めた2016年度以降最多になっています。
合格者の大半を占める一般入試でも、2021年度に女子の合格者は598人と前年度より42人増えています。東大には中高一貫の私立男子校出身者が多いのですが、今年は男女共学の公立高の躍進が目立っています。公立校には部活や学校行事に力を入れるところが多いのですが、コロナ禍でそれらが中止され、勉強に割く時間が増えたからではないかとされています。
東大の学部生に占める女子の割合は、2020年11月現在で19.5%であり、日本の大学全体の45.4%に比べ、東大は際立って少ない状況です。かつては、2020年までに女子比率を30%にする目標を掲げていましたが、いまだ2割の壁を超えられていません。
将来の進路を早く見定める女子学生ほど、東大のメリットを感じていないのかもしれません。東大に入学できる学力があっても、長く安定して働ける資格を求め、他大学の医学部を志望するケースが目立っています。また、一般入試で東大に入ると、2年までは基礎教養を中心に学び、その間の成績や希望に応じ、専門の学部を決めていく仕組みになっています。志望を早めに固める女子生徒は多く、そうした女子には、1年から専門科目を学べる他大学のほうが魅力的に映るケースがあるようです。

(2021年4月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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