梅毒患者の増加

 国立感染症研究所は、昨年1年間の国内の梅毒感染者数が4,518人に上ったと発表しています。4千人を超えたのは1974年以来、実に42年ぶりです。梅毒は主に性行為で広がる細菌性の感染症で、性器や唇にしこり、ただれが起き、進行すると全身に赤い発疹ができます。感染者は戦後まもない時期は年10万人を超えていましたが、治療薬の普及などで急激に減少しました。2012年までの20年間は1千人未満と落ち着いていましたが、2013年以降再び急増しています。
 全体の約7割を占める男性は、各年齢層から偏り少なく報告されています。女性は20代が女性全体の5割超を占め、感染増加が目立っています。男性の同性間の性的接触による感染だけでなく、近年は異性間での感染も広がっています。妊婦が感染していると死産・流産することがあります。胎盤を通して赤ちゃんが感染し先天性梅毒になり、様々な障害を起こすことがあります。

(2017年1月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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