残業時間の公開

 厚生労働省は、2020年に従業員の残業時間の公表を大企業に義務付けられます。企業は月当たりの平均残業時間を年1回開示するよう求められ、従わなければ処分を受けます。それぞれの企業の労働実態を外部から見えやすくし、過度な長時間勤務を未然に防ぐ狙いがあります。新たな規制は、労働法制では大企業とみなされる従業員数301人以上の約15千社が対象です。従業員300人以下の中小企業については、罰則を伴わない努力義務にとどめます。対象企業は、厚生労働省が企業情報をまとめたデータベースや企業のホームページで年1回開示しなければなりません。
 残業時間を公表することで、企業が業界他社を互いに意識し合ったり、時間外労働を減らす新たな動機づけになったりすることを期待しています。学生が就職活動で企業を選ぶ際の判断基準にもなります。政府は働き方改革を看板政策と位置づけ、長時間労働の慣行を改めようとしています。計画では残業時間の特例の上限を原則年720時間に引き下げようとしています。

(2017年5月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。