汗には、全身にあるエクリン汗腺から体温調節のために出る汗と緊張や興奮といった精神状態が影響してアポクリン汗腺から出る2種類があります。エクリン汗腺は、手のひら、胸元、足、おでこに多く、毛細血管から血液中の血漿がエクリン汗腺にくみあげられ、汗ができます。汗が表皮に出る過程で、体に必要な塩分などは毛細血管から再び吸収されます。この機能は夏に向けて気温が上昇する中で徐々に高まります。発汗量が増え、塩分の再吸収も活発になります。汗そのものにはほとんど臭いはありません。ごく少量の乳酸や尿素、アンモニアなどが含まれていますが、水が大半を占めています。
 一方、アポクリン汗腺はわきの下などにあり、数に個人差があります。ここから出る汗には脂質やたんぱく質などが含まれており、分解されるとツンとした臭いが出ます。エクリン汗腺から出る汗が臭くなるのは、表皮に付着した汗の中で、古い皮脂や角質が雑菌によって分解されるためだとされています。

(2016年7月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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