消化管アレルギーとは

 消化管アレルギーとは、特定の食物を摂取することにより起こる食物アレルギーの中で、腹痛、嘔吐、下痢、血便などの消化器症状が前面に出てくる場合をいいます。食べ物や花粉によって、食道や胃腸に炎症が起き、のどの詰まりや胸焼けが起こることもあります。口に入った食物や微生物によるアレルギー反応で、好酸球という白血球が食道の粘膜などで増えることで起きるのが好酸球性食道炎です。胸焼けや胸痛、うまく食べ物を飲み込めないなどの症状が出て、重症化すると、食道が狭まって食べ物が詰まるなどすることもあります。
 消化管アレルギーは、食道炎だけではなく、胃や小腸で起きる胃腸炎もあります。胃腸炎は腹痛や下痢などがあり、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症します。消化管アレルギーは、原因となる食品を特定して取り除けば、根治できる可能性が高い病気です。ステロイド治療は有効ですが、使い続けると骨粗鬆症やうつ病の副作用が出るので注意が必要です。原因となる食品の特定には入院が必要で、厳密な食事管理や、栄養士らとの連携が求められます。

(2016年12月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。