潜在保育士の利用

全国の待機児童の数は公表分だけで約5.5万人いるとされています。福祉医療機構の調査によると、4分の1の施設で保育士が足りず、うち2割弱が児童の受け入れを制限しているようです。保育士の有効求人倍率は、2017年度で2.73倍にも達しています。政府は待機児童ゼロに向けた新たに32万人分の受け入れを目指しています。実現には保育士を約7.7万人増と、1割以上増やす必要があります。問題の解消の切り札とされたのが、潜在保育士です。資格を持っていながら子育てなど様々な理由で働いていない保育士のことをいいます。
保育士の不満が大きいのは賃金水準です。2017年の民間保育士の平均給与は月額約23万円にすぎません。全産業平均より10万円ほど低くなっています。給料が安く、なかなか上がらないイメージは新卒採用にも悪影響を与えています。養成学校を卒業後に保育士になる人は全体の半分程度にとどまっています。長時間労働も復職のネックになっています。人数を増やして仕事を分担するなど、職場環境も改善していく必要があります。

(2018年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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