無痛分娩

 局所麻酔でお産の痛みを和らげる無痛分娩が広がっています。24時間無痛分娩に対応できる病院も徐々に増え始め、分娩中に無痛を選択することも可能になっています。無痛分娩に使う麻酔は硬膜外麻酔です。腰の後ろから管を入れ、脊髄を取り巻く硬膜と呼ばれる部分の外側に麻酔薬を注入します。ただ硬膜外麻酔は、効果が出始めるまでに1020分かかります。
 どのタイミングで麻酔薬を使い始めるかは病院によって異なります。一般には陣痛が始まり子宮口がある程度開いたら、麻酔薬を始めます。一方、24時間対応なら、出産日をあらかじめ決めておく必要がありません。通常の分娩と同じように、自然に陣痛が始まってから入院します。陣痛を起こすために薬を使う必要もないので、できるだけ自然に産みたいというニーズにも応えられます。また、もし緊急に帝王切開に踏み切るような事態に至った場合、麻酔を注入するルートがあらかじめ確保されている無痛分娩なら、迅速に対応できるという利点もあります。

(2016年12月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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