熱中症対策

熱中症とは、蒸し暑さなどのために体温が上がり、脳や心臓など重要な臓器がうまく機能しなくなって起こる不調です。発症の条件で、見落としがちなのは湿度です。通常は体温が上がると汗をかき、蒸発する時に気化熱を奪います。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温も下がりにくくなります。風が弱いと、さらに熱がこもりやすくなります。雲が多く日差しも弱いから大丈夫と判断するのは間違いです。

激しい運動で筋肉を動かすと発熱するので、ますます体温が上がります。病気で体力を消耗していたり、食事や水分を十分にとっていなかったり、寝不足や二日酔いだったりすると発症しやすくなります。特に乳幼児は体温調整機能が未熟です。また高齢者も環境や体の変化を感じる機能が鈍く、暑さやのどの渇きに気づきにくく、熱中症を発症しやすくなっています。
予防策としては、エアコンや扇風機を上手に使うことです。室温28度が推奨されていますが、あまりこだわらない方がいいと思われます。エアコンの設定温度を低めにしたり扇風機で空気を循環させたりすることが大切です。こまめな水分補給も忘れてはいけません。風通しのいい服装で、冷たい飲み物や帽子、日傘なども用意するとよいでしょう。屋上や壁面緑化は涼しい風をもたらし効果的です。ミストと送風ファンの組み合わせでも、周囲の気温は下がります。こうした技術を使いこなすことが大切です。

(2018年6月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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