物流の2024年問題

物流の2024年問題が迫っています。2024年4月から、トラック運転手に時間外労働の上限規制が適用されるため、運転手が働ける時間が短くなり、荷物の輸送能力が急低下する恐れがあります。宅配だけでなく、製造から小売りを結ぶ物流網の維持が危ぶまれています。
厚生労働省の調査によれば、トラック運転手の月あたり実労働時間は、大型で212時間、中・小型が207時間と、全産業平均よりも約2割長くなっています。現場だけでは運転だけでなく、荷積みや荷降ろしなどの作業が求められます。荷主の都合に合わせるための待機時間も長く、生産性を引き上げることが難しくなっています。
大型トラック運転手の平均年収は、全産業平均を26万円下回る463万円です。有効求人倍率は今年2月時点で2.26倍と、全産業平均の2倍近い水準で推移しています。慢性的な人手不足は明らかです。労働環境が改善されないため、若い世代の担い手は少ないままです。
荷主側企業は、運転手の負担軽減に乗り出しています。宅配では、運転手の負担が重い再配達の削減が急務です、。長距離輸送の大動脈となる高速道路の運用改善も進んでいます。大型トラックの荷台部分を2台つなげて輸送できるダブル連結トラックの通行可能区間も拡充し、これまでの約2.5倍の約5,140㎞まで延ばしています。

 

(2023年4月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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