特別養子縁組あっせん法

 特別養子縁組とは、親が未成年だったり、経済的に苦しかったりして育てられない原則6歳未満の子と、血縁のない夫婦が法律上の親子となる福祉制度をいいます。民法に規定されており、1988年に始まりました。普通養子縁組とは違い、実親との親子関係は消滅し、戸籍上も実子と同じ扱いになります。半年以上の試験養育期間を経て、家庭裁判所が許可します。都道府県に届け出た民間業者のほか、全国209カ所の児童相談所があっせんしています。養子縁組をあっせんする民間事業者を規制する法案が可決されました。
 届け出制を都道府県の審査が必要な許可制に改めました。これにより、悪質業者の排除と民間あっせんの質の向上を目指します。養子縁組のあっせん事業者は近年増えており、昨年10月時点で全国で22あります。年500件ほどの特別養子縁組の成立の半数近くに関与し、親元で暮らせない子に家庭という安定した環境を用意するのに大きな役割を果たしています。しかし、民間のあっせんを巡っては、業者間で養親にかかる費用のばらつきがあることもトラブルの一因になっていました。この法案は、民間あっせん業者の法的な位置づけを明確にし、縁組負担を促進する目的があります。こうした規制は、子どもを社会で育てる仕組みの一つだと理解し、本当に子どものためになるあっせんが進むことが期待されます。

(2016年12月8日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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