生活習慣と学力

文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果の分析によれば、日ごろから本や新聞に親しんだり、規則正しい生活を促したりしている家庭の子どもは、親の収入や学歴が高くなくても、好成績の傾向があることがわかりました。小学6年と中学3年の国語、算数・数学の成績と、抽出校の保護者約14万人へのアンケートを分析しています。保護者の年収や学歴など家庭の社会・経済的背景を指標化して4階層に分け、テストの平均正答率と比較しました。
年収の最も低い階層でも、学力が全体の上位25%に入った子どもの家庭では、小さいころ絵本の読み聞かせをしたり、本や新聞を読むように勧めたり、毎日朝食を食べさせ、計画的に勉強するよう促しています。このことは、親の収入や学歴に関係なく、生活の習慣や親の意識が子どもの学力に影響を及ぼす可能性があることを示しています。福祉や所得の再分配、雇用の政策が伴わないと学力格差の緩和・解消はできませんが、教育施策が大切であることを示すデータです。

(2018年6月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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