産後ケア

 出産直後の女性が疲れた心と体を整えるための産後ケアが広がっています。助産師が常駐し、宿泊できる産後院が増えているほか、産後ケアの専門家を自宅に派遣するサービスも登場しています。産後の疲労と不安感、さらにはホルモンの急激な変動などから陥りやすい鬱状態を防ぎ、仕事へのスムースな復帰を促す効果に期待が集まっています。産後ケア院は一般的に高額で、利用は一部に限られていました。しかし昨年以降、助成金を出す自治体が増え、比較的安く利用できるようになりつつあります。
 江東区も6月から、診療所と助産院を兼ねた施設「東峯サライ」の利用を助成対象としています。2泊3日までで、区民の負担は2割です。医師が常駐、貧血やめまいなど産後に起きやすい症状にも対処します。この2~3年、産婦人科や助産院が産後ケアを併設することが増えてきています。産後の女性の心身の回復が順調なら、子どもも元気に育ち、職場復帰後も安心して働けます。妊娠中から産後のケアについて考えておくことが大切です。フィンランドの子育て支援施設ネウボラを参考にしています。ネウボラでは産前から就学するまで、切れ目なくサポートします。

(2016年6月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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