病児保育の財政支援

 病児保育は、病気になった子どもを一時的に預かるサービスです。保育と看護の両方の機能を併せ持っています。施設により異なりますが、乳幼児から小学生まで預かることができます。現在は約1800施設あり、保育所や医療機関などに併設されている例もあります。病児保育は、発熱や発疹など軽い症状の子どもを預かってもらえます。保育所で熱を出すと、親が引き取りに行かなければなりませんが、施設が急な発病に応じて子どもの送り迎えを肩代わりしてくれれば、親も仕事を早退しないで済みます。
 内閣府と厚生労働省は、病気になった子どもを一時的に預かる病児保育に財政支援します。施設の増加を目指し、今年度から建設コストの9割までを国と自治体で賄う財政支援策を導入します。共働き夫婦など利用者の使い勝手を高めるため、児童の送迎費も助成します。病院や保育所に併設しやすくするなど子育ての環境を整え、仕事と育児の両立を図ります。これまでは待機児童解消を目指した保育の量の増加が課題でしたが、今後は保育の質を考えていかなければなりません。病児保育の充実は、働く若い世代にとって不可欠であり、保育の質を向上させる第一歩です。

(2016年6月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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