看取りクライシス―Ⅱ

終末期医療
普段から延命治療は望まないと本人が話していても、いざ目の前で心肺停止になった時に家族がパニックになったり、かかりつけ医にも連絡が付かなかったりして、不安になって救急車を呼ぶという状況が増えています。家族の考えは多様なので、現場の隊員には一切の判断ができません。生死に直結している現場ですので、隊員が対応にストレスを感じたり、後悔を残したりしないルール作りが大切です。しかし、自分の人生の最終段階の医療について家族と話し合っている人は、半数にも満たない状況にあります。
家族や医師に対しては、本人の意思としてリビング・ウィルを残しておくという方法があります。ただ思い描いているだけでは、自分の死は望むようなものにはなりません。やはり元気なうちから最期の逝き方を考え、それを何かしらの方法で家族と共有しておくことが大切です。かかりつけ医がいるのであれば、その人を巻き込んで話し合いをしておく必要があります。リビング・ウィルの作成に半数以上の人が賛成していますが実際に作成している人はごく一部です。

 

(Wedge September 2019)
(吉村 やすのり)

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