着床前スクリーニング実施の報道

 静岡県浜松市の不妊治療専門施設クリニックが、流産回避の目的で着床前遺伝子スクリーニングを実施し、6人が妊娠し、1人が分娩したとの報道がされました。詳細は不明ですが、胚盤胞で胎盤の一部の細胞を採取し、米国で染色体のスクリーニングを実施したとされています。これまで着床前スクリーニングについては、わが国では、兵庫県と長野県の産婦人科医師が実施しておりました。
 海外ではこれまで高齢妊娠や流産予防のためにスクリーニングが実施されてきていますが、わが国では、日本産科婦人科学会の見解により、受精卵の染色体スクリーニングの臨床応用は許可されていません。現在学会では、特別臨床研究を実施しようとしているところです。着床前診断については、平成10年より重篤な遺伝性疾患に限り、症例ごとに審査の上、臨床研究として実施されてきたという経緯があります。

(2016年6月29日 中日新聞)
(吉村 やすのり)

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