着床前診断(PGT-M)に関する日本産科婦人科学会倫理審議会の最終報告

日本産科婦人科学会倫理審議会は、重篤な遺伝性疾患に対するPGT-Mについて、その適応や重篤性の考え方、その判断の流れについて、一般の方々を含めた有識者と広く意見交換を行い、最終報告案をまとめました。

重篤性については、「原則、成人に達する以前に日常生活を強く損なう症状が出現したり、生存が危ぶまれる状況になる疾患で、現時点でそれを回避するために有効な治療法がないか、あるいは高度かつ侵襲度の高い治療を行う必要のある状態」としました。ただし、今までに審査経験のない疾患申請に関してのPGT-M実施適応の判断は、専門学会(臨床と遺伝関連)に依頼し、意見書を提出頂くことを必須とするとしています。
これまで審査経験のない申請については、専門委員会の意見書をもとに日本産科婦人科学会着床前診断に関する審査委員会で検討を行い、意見書を作成します。全員の賛同が得られれば、実施医療機関の倫理委員会で最終承認を得て実施することになります。審査小委員会で判断の一致が得られない時は、PGT-M臨床倫理個別審査会で審議されることになっています。

 

今後、この報告書をもとに、PGT-Mの運用について、日本産科婦人科学会倫理委員会や理事会の検討を行い、着床前診断に関する見解の改訂を行うことになっています。

(吉村 やすのり)

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