短時間保育

 保育時間は夫婦のうち短い時間で働く側の状況により2つに分かれます。働く時間が月約120時間以上なら、一日最長で11時間子どもを預けられ、これが保育標準時間です。一方、月120時間未満だと一日最長8時間になり、保育短時間になります。保育短時間は、非正規労働など多様化する親の働き方に応じて導入されました。必要な範囲で保育所を利用しやすくし、過剰な保育を減らすことで、保育士の長時間労働を防ぐ狙いもありました。
 市区別に短時間認定の割合を見ると、和歌山市33.5%から東京都板橋区0.2%まで差があり、東京23区は全体的に低いことが明らかになりました。一つには、保育短時間であると待機児童になりやすく、保護者に敬遠されていることが考えられます。また標準時間と短時間の保育料の差があまりないことも利用されない理由の一つとなっています。標準・短時間の差額(減額率)が高まれば、親がメリットを感じやすくなり、利用が増える可能性があります。しかし、利用者の保育料を下げた分を補填するためには、さらなる公費の投入が必要になります。新制度の理念は良いのですが、運用面でまだ追いついていない地域があり、利用形態に地域差があります。

 

(2016年7月31日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。