脱水

 成人の体重のうち、3%以上の水分が失われると脱水になるといわれます。例えば体重が60㎏の人なら1.8㎏になる計算になります。体から出ていく水分は汗の他に尿や便、さらに肌や呼吸からの蒸発には目には見えませんが、11㎏近くになり、気温が上がれば増えます。また、胃腸炎などで下痢になれば、便から普段以上に水分が出ていきます。風邪などで熱が出れば大量の汗をかきます。こんなアクシデントが起きると、1.8㎏分くらいは簡単に失われてしまいます。
 体の中で水分を多く含む臓器といえば、脳、消化器、筋肉の3つです。脳が障害を受けるとめまいや立ちくらみが、消化器なら食欲不振や吐き気、筋肉の場合は筋肉痛やこむら返りなどが起こります。高齢者は脱水になりやすくなります。その理由は、筋肉の衰えです。筋肉は加齢と共に衰え、筋肉が痩せると、体の保水力が落ちて、脱水症状になりやすくなります。筋トレで筋肉を維持することにより、高齢者の脱水の予防につながります。

(2016年7月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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