税負担軽減の方法

 税負担軽減には2通りの方法があります。所得税で採用している所得控除と呼ばれる方式では、基礎控除ならば38万円を所得から差し引いたうえで課税所得を決め、そこに税率をかけるというものです。税率は545%の間で7段階で変わります。課税所得が195万円以下の税率は5%です。このため同じ金額を控除すると、高い税率を適用されている高所得者ほど税の軽減額が増えて有利になります。2016年度当初予算の一般会計税収は57.6兆円です。所得税収は18兆円で、全体の約3割を占めています。
 もう一つは、欧州などが採用している税額控除という方式です。一定額を所得から引くのではなく、まず税率をかけて税額を算出しておき、最後に一律の金額を差し引くものです。所得の多寡にかかわらず軽減額は同じになるため、低所得層の人への恩恵が相対的に大きくなります。納税をしていない人には、現金を支給する給付付き現金控除という考え方もあります。

(2016年9月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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