第34回 日本受精着床学会総会学術講演会開催

 いよいよ、第34回日本受精着床学会総会学術講演会の開催です。今回の会長は、日本医科大学教授の竹下俊行先生です。学会のテーマは「Stop the 流産」です。


 近年の生殖医療の進歩には目覚ましいものがあります。2014年のデータによれば、生殖補助医療の治療周期は実に393,745周期に及び、47,322人の子どもが誕生しております。一方で流産率は25%前後を示しており、この値は30年前とほとんど変わっておりません。生殖医療に携れる医師は、流産率の高さを何の疑いもなく受け入れてしまっています。今日の生殖医療の進歩は、この流産率の高さによって支えられているのかもしれないという考えはないように思えます。生殖医療自体がもつリスクや問題点を、流産がマスクしていてくれているのかもしれません。
 これまで流産という現象は不育症という概念で捉えられてきました。生殖医療の領域に流産という新しいコンセプトを導入するという竹下教授の御慧眼に敬意を表しつつ、学術講演会を楽しみたいと思います。

(吉村 やすのり)

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