絶滅危惧種の救済

 キタシロサイは地球上に3頭しか生き残っていません。このキタシロサイを絶滅の危機から救うため、キタシロサイのiPS細胞から卵子を作り、将来の固体数増加を目指す研究が始められています。もしiPS細胞から卵子を作製できれば、凍結保存されている精子などと体外受精させ、近縁の動物を代理母にして妊娠、出産を試みる構想です。絶滅の恐れがある動物の救済という、iPS細胞の新たな応用の可能性が示されています。
 生存するキタシロサイは雄1頭と雌2頭で、ケニアの自然保護区で飼育されています。生存する3頭や死んだ固体から採取した細胞や精子がドイツや米国などに保管されており、一部でiPS細胞ができています。九州大学の林教授によれば、ドイツのライプニッツ動物園野生生物調査研究所などの専門家で構成するチームは、iPS細胞から卵子のもとになる始原生殖細胞へ分化させる試みを始めています。

(2017年1月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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