若年女性アスリートの健康障害―Ⅸ

産婦人科受診

 産婦人科を受診したことのある選手は26.1%でした。受診理由は、月経不順、月経痛、月経日調整、無月経の順でした。月経周期の異常や月経痛を訴える女性アスリートが多いにもかかわらず、産婦人科の受診経験はわずか26.1%と極めて低率でした。
 わが国では、産婦人科の受診率の低さとともに、月経周期の異常や月経痛に対してOC・LEPの使用頻度は低率のままです。第一にはOC・LEPの服用のベネフィットに関する認知度が低いことが挙げられます。さらに成長期である10歳代で服用することに弊害があるのではないか、太るのではないか、ドーピングに抵触するのではないか、むしろパフォーマンスが低下するのではないか、などの誤った認識があります。こうしたOC・LEPの効果についても、産婦人科医が女性アスリートに対し十分説明することが大切です。そのためには、女性アスリートが月経異常を自覚した時に産婦人科医のもとを訪れることが必要になります。

(吉村 やすのり)

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