複数国籍の容認

出身国以外での就労が珍しくなくなった今、複数国籍を認める動きが広がっています。外国で生まれたり、親が外国籍だったりして複数国籍となった人に一定期限までの国籍選択を迫る日本から見れば違和感もありますが、こうした国は世界では少数派です。欧州大学院の研究プロジェクトによれば、何らかの形で複数国籍を認める国は78%に上ります。
働き手となる若年人口の減少が各国で見込まれる中、優秀な人材の確保は共通の関心事です。裕福な外国人に国籍や永住権の取得を優遇する動きが広がっています。優先的に居住権を認める制度があるのは、米国、英国、オーストラリア、シンガポールなどです。
国籍のあり方は、国民の権利や義務に直結します。多くの先進国で人口減少が始まり、国境を超えた人材争奪戦が加速する中、どのような人材を呼び込み、次世代の国づくりを目指すのか、国家戦略が問われています。

(2023年4月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。