覚醒剤の検挙率

 違法薬物を巡る犯罪で最も多いのが覚醒剤です。厚生労働省によれば、2014年に覚醒剤取締法違反で検挙されたのは約11千人で、大麻取締法違反の約6倍にのぼります。検挙者は、2005年に比べて2,500人ほど減少していますが、再犯者の割合は64.5%と逆に10ポイント高まっています。薬物依存症には、軽い気持ちで手を出してしまって、断ち切れなくなり、大半の人は繰り返します。
 これまで覚醒剤を1回でも使ったことがある生涯経験率は、全体の0.4%でした。米国は5.1%、英国は11.9%であり、日本は先進国の中で低率です。啓発活動や取り締まり強化で使用者は少ない半面、依存症患者への対策は遅れ、使用が繰り返される事態を招いています。再犯を防ぐためには、本人や周囲が依存症を病気ととらえ、治療に結びつける必要があります。

(2016年8月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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