遠隔診療

 昨夏、遠隔診療が事実上の解禁となり、患者はネット環境とパソコンやスマートフォンがあれば、どこでも診察を受けられるようになりました。しかし、初診は対面の必要があるなど一定の条件もあります。一度診察に来た患者のうち、症状が安定していると医師が判断し、本人が希望する場合に利用できます。患者は専用アプリのテレビ電話を通じて受診し、薬の処方を自宅に送ってもらい、支払いもオンライ決済です。
 遠隔診療を利用できるのは、症状が比較的安定した病気の患者に限られます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、花粉症などのアレルギー性疾患、禁煙外来など病状が急激に悪くならない疾患が対象として想定されます。症状があまり変わらず問診だけで薬を処方してもらっている患者は、遠隔診療に向くといえます。これまで仕事の都合で通院が難しかった人や近くに医療機関がない高齢者なども受診しやすくなり、病気の予防や早期発見につながると思われます。

(2016年9月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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