里親委託の増加

里親は、虐待や病気などの理由で親と暮らせない子どもを児童相談所が保護して、別の家庭に託して育ててもらう制度です。家庭的な環境で、子どもが養育者との心のつながりである愛着関係を育めるとして、国が積極的に進めています。里親の種類は、養育里親、子どもに障害があることなどにより専門性が必要な専門里親、養子縁組を前提とした養子縁組里親、親族里親があります。
2020年度末で計1万4,401世帯が登録されています。5~6人を養育するファミリーホームも427カ所あり、里親とファミリーホームで暮らす子は7,707人います。親と暮らせない子どもは3万3,810人おり、そのうち里親とファミリーホームに託されている子どもの割合を示す里親等委託率は22.8%です。2010年度末は4,373人で12.0%でしたから、少しずつ増えています。
国は2016年に児童福祉法を改正して、家庭養育優先原則を打ち出しました。委託率の目標を、3歳未満は2024年度末までに75%以上、3歳以上~就学前は2026年度末までに75%以上、学童期以降は2029年度末に50%以上としています。一番高いのは新潟市で58.3%ですが、一番低い宮崎県は10.6%です。より多くの子どもが里親のもとで暮らせるようになるには、里親子を支える仕組みも必要です。

(2022年11月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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