鉄道運賃にダイナミックプライシングの導入

ダイナミックプライシングとは、販売状況や季節要因によって変わる需要と供給に合わせて、同じ商品・サービスの値付けを柔軟に上下させる変動価格制を指します。運賃制度の自由度が高い航空や高速バスにおいてダイナミックプライシングは一般的です。国内線の航空運賃は、2000年に認可制から届け出制になり、航空会社は年末年始などの繁忙期は高く、閑散期は早く購入したチケットの価格は安く設定しています。高速バスでは2020年以降に導入が進んでいます。
需要の多い時期や曜日、時間帯に料金を高くすることで収益を拡大できます。需要の少ない時期に料金を低くすれば利用を喚起できます。米航空大手が1980年代から本格導入を始め、ホテルや航空券のように供給量に制限のあるサービス業で売れ残りを防ぐ手段として浸透しています。
新型コロナウイルス禍で、テーマパークやプロ野球観戦などでも変動価格のチケットの導入がじわり広がっています。入場者数の分散化や、収益の安定化につなげる狙いなどがあります。AIなどを活用して、過去の入場者数を基に適正価格を割り出す技術も進化しています。

(2022年7月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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