隠れ待機児童

 今年も保育施設に入れない待機児童が多く、4月時点で23,553人に達しています。昨年同時期より386人増えています。一方、隠れ待機児童も同時に公表され、67,354人であり、昨年より8,293人も多くなっています。待機児童とは認可保育施設に入れなかった子どもです。厚生労働省が定めた定義があり、その定義から外れれば、認可施設を希望して入れなくても待機児童に含まれません。認可外でも自治体が補助する施設に入った子どもは、隠れ待機児童になります。満足する保護者もいますが、やむなく比較的料金が高い認可外施設で我慢し、待機だと感じる保護者もいます。
 勤務先と逆方向にある施設を自治体に指定されて通えないと断念したら、特定の施設を希望したとして、隠れ待機児童になるケースもあります。預け先がなくて保護者が仕方なく育児休業を延長しても、自治体によっては隠れ待機児童になります。厚生労働省は有識者らによる検討会を立ち上げ、年度内に新しい定義をまとめる方針です。ただ、全国一律にできるかというと、難しい事情もあります。

(2016年10月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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