非正規労働者の賃金基準は、正社員の6割弱であり、欧州各国に比べて低率です。政府は、非正規雇用に対しては同一労働同一賃金を導入しようとしています。雇用が不安定で、正社員との待遇差が大きい非正規労働者の現状は、消費の抑制を招きます。男性の非正規労働者の年収は、8割が300万円未満です。こうした低水準により、20、30歳代男性の既婚率は10%に届いていません。これでは出生率の回復も望めません。
しかし企業は、同一労働同一賃金の導入については、どちらかと言えば(55%)を含め、難しい(66%)と考えています。
(2016年12月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)