食べ物による子どもの窒息死

厚生労働省の調査によれば、小学校低学年で食物を喉に詰まらせて死亡する事故は、2020年までに10年間で140件に上っています。小学校低学年は歯が生え替わる時期で、食材をかみ切る力がまだ弱く、死亡事故につながりやすいとされています。福岡県の事故は、給食に出たウズラの卵でした。
日本小児科学会は、窒息を起こしやすいものとして、ウズラの卵のように丸い形状で、表面がつるっとした食材を挙げています。他にブドウやミニトマト、サクランボなどを例示し注意を呼びかけています。こども家庭庁はこうした食材について、保育施設を対象に給食で避けるべき食材としてガイドラインで示しています。
文部科学省の手引書は、思いがけず誤嚥する恐れのある丸い形状の食材に注意が必要、食べやすい大きさにして、よく噛んで食べるように指導すると定めています。東京消防庁は、ホームページなどで対処法を紹介しています。まずは速やかに119番通報、その上で成人や1歳以上の子どもの場合、顎を支えて肩甲骨の間を強く叩く背部叩打法、背後からお腹に手を回して斜め上へ引き上げる腹部突き上げ法をすすめています。

 

(2024年4月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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