養育困難児に対する支援

 厚生労働省の有識者会議は、虐待などにより親元で暮らせない小学校入学前の子どもの対応策を検討しています。援助の方法としては、特別養子縁組、乳児院への入所、里親での養育があります。特別養子縁組では、養子は原則6歳未満、養親は25歳以上の夫婦が対象で、実親の同意を得て、養親が家庭裁判所に申し立てます。成立すると、養親の戸籍に「長女」、「長男」などと書かれます。原則として縁組の解消はできません。普通養子縁組との違いは年齢制限があることや、実の親との法的関係が消え、相続権や扶養の義務などがなくなります。
 里親は、虐待や貧困などの理由で親元で暮らせない子どもを預かり、育てる制度です。児童相談所の面接や家庭訪問、研修を受けた上で自治体に登録されます。原則18歳未満の子14人を育てる養育里親や、虐待などでケアが必要な子を育てる専門里親、養子縁組里親、親族里親があります。子ども1人目は、月86,000円のほか、生活費や医療費などが支給されます。里親経験者らが定員56人の子どもを養育するファミリーホームがあります。3歳未満は5年以内に、3歳以上就学前の子どもは7年以内に、里親への委託を75%以上に引き上げようとしています。集団で育てる施設は小規模化を進め、障害児ケアや里親支援といった専門性を高めます。

(2017年8月17日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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