駅ない街の人口減少

国土交通省の調査によれば、交通アクセスが相対的に悪い駅がない街は、人口減少のスピードが速いことも判明しています。人口減に歯止めをかけようと、新駅誘致や既存駅周辺の再強化など、駅を軸にした活性化に力を入れる自治体が増えています。
駅から半径4㎞(徒歩1時間、自転車で15分程度)の圏内と、圏外の人口を比較すると、4㎞圏内の人口が10年前に比べて2.3%減だったのに対し、圏外は10.1%も減少しています。人口減を少しでも抑えるためには、鉄道以外の手段を含めて圏外地域での交通網を維持・再構築することが必要になります。半径4㎞圏外の人口の割合を都道府県別に見ると、沖縄県が2022年に55.5%と10年間で6.4ポイント減らし、佐賀県も2.9ポイント減少しています。市区町村別でも両県が上位を占めています。
人口減や高齢化が進む地方都市で、これから新しい鉄道を建設するのは現実的ではありません。自治体が既存路線に新駅を誘致したり、現在ある駅周辺の魅力を高めて人口集積を進めたりする動きが広がっています。赤字ローカル線の存廃議論が全国で表面化する中、先行して路線や駅の廃止が進む北海道では、域内に駅がない自治体が半数に迫っています。

(2024年2月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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