高齢者の生活保護

 生活保護を受給した世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯の割合が初めて半数を超えました。この高齢者の生活保護世帯の割合は、高齢化を上回る勢いで増えており、公的年金が老後の暮らしの支えになっていない実態が浮き彫りになりました。高齢者世帯が5割を超えるのは、生活保護制度ができた1950年以降で初めてです。9割は単身者が占めています。
 人口に占める高齢者の割合は2010年から2014年までに3ポイント上昇しています。一方、この期間の生活保護の受給世帯に占める高齢者世帯の割合は約4.5ポイント伸びており、高齢者の貧因化が加速していると考えられています。公的年金は、年金頼みの老後を送る人にとっては十分な額ではありません。厚生労働省の調査では、高齢者世帯に属する生活保護受給者の約半数は公的年金を受け取っており、平均受給額は約4万6,600円です。しかし、高齢者の夫婦ともに無職の世帯は月平均で約27万5,700円の支出があります。

(2016年6月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。