AIによる新薬開発

 厚生労働省は、人口知能(AI)を使い、高い効果が見込める画期的新薬の開発を進めようとしています。抗がん剤といった新薬のもとになるシーズ(種)と呼ぶ新規物質を見つけ、数年以内に研究者らに提案することを目指します。AI活用で開発を効率化し、医療費全体の抑制につなげる狙いがあります。抗がん剤やC型肝炎、生活習慣病などに用いる画期的な新薬を開発するには、病気の発症に関係する遺伝子やたんぱく質に作用する必要があります。膨大な候補の中から有効な化合物を絞り込み1つの新薬ができるまでに、10年超の期間と数百億円以上を要するとされています。
 グローバルな新薬開発競争の中で、資金力が乏しい日本の製薬企業の創薬力は低くなってきています。米国では、AIを活用した新薬開発が活性化しています。膨大な開発期間と費用が圧縮できます。日本の医療費41.5兆円のうち、薬にかかる費用は約2割を占めています。

(2016年9月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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