B型肝炎母子感染防止事業

 わが国では、1986年から母子感染を起こすおそれのあるHBVキャリアの母親から生まれる児を対象として、公費負担による母子感染防止事業が開始されました。妊婦全員に血中HBVマーカーの検査を行い、HBs抗原陽性かつHBe抗原陽性の母親から生まれた新生児に対してHBVワクチンおよびHBIGを接種する方法です。1995年からは対象をHBs抗原陽性のすべての妊婦から出生した新生児に拡大し、健康保険の給付対象に変更されました。事業開始後、国民のHBs抗原陽性率は着実に減少しています。
 母子感染予防の接種スケジュールは、B型肝炎ワクチンを生後すぐ、1か月、6か月の計3回接種します。しかし、里帰り分娩等の際に十分な予防がなされなかった事例も発生しており、産科・小児科、医療スタッフ等関係者が連携しスケジュールに従った接種を完了することが大切です。

月刊母子保健第690号
(吉村 やすのり)

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