C型肝炎

 C型肝炎のウイルス感染者は100万人~150万人と推計され、感染に気づいていない人が多いとされています。ウイルスは血液を介して感染します。主な感染経路は、高感度の検査が導入される前の輸血や、ウイルスの不活化処理が十分でなかった血液製剤、かつての医療現場であった注射器の使い回しなどとされています。このため、感染者は60代以上が多くなっています。近年は、ピアスやタトゥーの針の使い回しが原因とみられる若者の感染も目立ちます。感染は血液検査でわかります。
 C型肝炎は自覚症状が乏しく、気づかないまま慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんへと進行する可能性があります。肝臓がんは国内で年間約3万人が死亡しています。肝臓がんの患者のうち約60%がC型肝炎ウイルスに感染しているとされています。治療は大きく進歩しています。2014年から副作用の強いインターフェロンが不要な飲み薬が複数登場し、公的医療保険が使えるようになってきています。これらの飲み薬は臨床試験では9割前後の患者がウイルスを駆除できたとされ、3カ月間の服用が治療の主流となっています。

(2016年10月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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