ES細胞から精子形成

精子は、胎児期に形成が始まり、始原生殖細胞と呼ばれる最も初期段階の細胞から、精子の元になる精子幹細胞などに変化しながら少しずつ成熟します。
京都大学の研究グループが、様々な細胞に変化できるマウスのES細胞を使い、試験管内で精子を作ることに成功しました。試験管やシャーレでES細胞を始原生殖細胞に変化させたうえで、マウスの体内から取り出した精巣の細胞と一緒に培養します。そこで精子幹細胞となり、別のマウスの精巣を薄く切った組織片の中で精子にまで成熟させました。この精子と、雌のマウスから採った卵子を受精させて43個の受精卵を作り、別の雌の子宮に移植したところ、雄雌1匹ずつの子どもが生まれています。
ES細胞やiPS細胞からの精子や卵子などの配偶子形成は、究極の再生医療として注目されており、ヒトへの応用が大いに期待されます。

(2021年9月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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