GIGAスクール構想の課題

GIGAスクール構想は、全国の小中学生1人につき1台の学習用端末を配備し、校内にネットワーク環境を整備する政府の事業です。新型コロナウイルス禍による休校期間中に各学校のIT環境の整備の遅れが露呈し、計画の実現目標を前倒ししました。2021年3月までにほとんどの学校で配布を終え、授業などでの活用が始まっています。
GIGAスクール構想を前倒しし、公立学校のオンライン学習促進のため家庭に貸与するWi-Fiルーターの購入費補助事業が始まりました。臨時休校時にネット環境を整えられない世帯などへ、端末をインターネットにつなぐルーターを貸与できるよう、自治体の購入費用を補助する仕組みで、国は2020年度に168億円の補正予算を計上しました。
会計検査院の調査によれば、2021年度末までの使用状況について調べたところ、11万3,315台(補助費約10億2,700万円)が一度も家庭向けに貸し出されていませんでした。242自治体のうち193自治体は、ピーク時の貸出数が補助事業で整備した台数の半数を下回っていました。1台も貸し出していない自治体は31もあり、全7,138台が教育委員会などで保管され続けていました。コロナ禍で家庭でネット環境の整備が進んだため、貸出希望者が少なくなった、緊急時に備えてルーターを準備していたが、地域で一斉に臨時休校は行わなかったなどの理由が挙げられています。使われなかったルーターについて今後も活用見込みがない自治体は多いと思われます。

 

(2022年10月20日 日本経済新聞、神奈川新聞)
(吉村 やすのり)

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