iPS細胞の研究提供の一時停止

 京都大学iPS細胞研究所は、再生医療用iPS細胞の一部について、大学や企業などへ提供を停止しました。誤った試薬を使って作製した可能性が否定できないため、安全性の担保ができないためです。問題があったのは、赤ちゃんのへその緒の臍帯血から作ったiPS細胞です。昨年8月以降、13機関の23プロジェクトに出荷していました。
 本来使わない試薬のチューブに、製造時に使う試薬のラベルが誤って貼られていました。本来使わない試薬に含まれる遺伝子が混入した可能性を否定できないため、提供中止を決めました。通常の末梢血から作ったiPS細胞は、正しい試薬で作られたことを確認しています。そのため、理化学研究所などが取り組む網膜組織を移植する臨床研究に影響はありません。iPS細胞の作製にあたっては、ヒトに移植されることを考えれば細心の注意が必要となります。

(2017年1月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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