LGBTの保護

 同性婚の合法化が、欧米諸国で先行しています。米国でも連邦最高裁判所が、2015年に禁止している州法は違憲との初判断を示しています。国際的な性的少数者であるLGBTの支援組織I LGAによれば、世界で20を超える国・地域で同性婚合法化や同性パートナーの権利保護制度が施行されています。
 ベトナムは合法化を求める声の高まりを受け、2015年に婚姻家族法を改正し、同性婚に対する罰金を廃止しています。しかし、実質的には事実婚を容認したにすぎず、権利を積極的に保障したわけではありません。アジアの国々は合法化された例はみられません。同性婚そのものに刑罰が科される国もあります。マレーシアなどイスラム教を国教とする国では、特に厳しくて禁錮刑などの対象です。インドも同性愛者の性交渉を犯罪とする刑法の条項があります。
 同性婚を法的に認めることになれば、第三者を介する生殖補助医療を用いることによって子どもをもつことができるようになります。そのため、LGBTのカップルに法的な婚姻関係を是とするならば、そのカップルが子どもをもつことを容認するかどうかを同時に決めておかなければなりません。

(2017年1月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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