がん検診の必要性

 厚生労働省の研究班は、がん検診は何歳まで必要かの検討を始めることにしています。市町村が実施する5大検診といわれる子宮頸がん、乳がん、大腸がん、肺がん、胃がんは、年齢に上限はありません。厚生労働省の昨年の調査などによれば、85歳以上の人のいずれも19%が大腸がんと胃がんの検診を受けています。50代はいずれも45%前後です。検診はがんによる死亡を避けるのが目的ですが、高齢になるほど他の病気や老衰で亡くなる可能性も高まります。検診で早期がんを見つけても必ずしも長生きにつながらないケースが増えています。
 日本対がん協会も、関連機関で実施された大腸、胃、肺、乳房、子宮頸部の検診に関して、75歳以上の人でどの程度がんが見つかり、有害事象がどれくらいあったかなどについて、来月から調査を始めることにしています。高齢者では、がん検診は利益よりも害の方が大きくなる場合があります。受けるべきかどうかを個人ごとに判断できるよう、十分な情報を提供していくことが大切です。


(2017年12月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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