どうなる2070年―Ⅰ

主要国の総人口
世界人口は現在約80億人ですが、アフリカや中央・南アジアを中心に増加が続いています。2022年の国連推計によれば、来世紀にかけて100億人程度で推移する見通しです。インドは、中国を抜き今年半ばに人口が世界一になる見通しです。インドの現人口は14億2,000万人超で、2050年には16億6,800万人に達すると見込まれています。
経済・社会の発展とともに、合計特殊出生率が、人口の現状維持に必要とされる人口置換水準である2.07を割り込む国・地域も増えてきています。世界人口の3分の2が、人口置換水準より低い国・地域に居住しています。
人口拡大を続けてきた中国でも、2022年末時点で前年比で85万人少ない14億1,175万人となり、1961年以来、61年ぶりに人口が減少に転じています。2100年には、現在より6億人以上減って7億7,100万人程度となるとされています。2022年の合計特殊出生率が、0.78と少子化が急速に進んでいるのは韓国です。約5,000万人の人口は、2100年には約2,400万人に減少することが予想されています。少子化による人口減少を回避・緩和し、経済発展を目指すには、移民を受け入れる政策や、出産や子育てを支える政策などが考えられます。フランスやドイツ、スウェーデンなどが、こうした人口減対策を進め、一定の成果を上げています。日本は外国人労働者の入国はありますが、移民政策はとらない基本姿勢を続けているため、移民を受け入れるフランスなどの欧州各国と比べ、減少傾向は強く表れていると言えます。

(2023年4月27日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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